男に抱かれるためだけにある、ウロボロスの快楽人形。それを作り続ける、美しすぎる錬金術師、コクトー。王に仕える忠実で禁欲的な従者――という仮面を脱ぎ捨てた、エヴァン。
コクトーの知られざる過去と、策を巡らせ生き急ぐエヴァンの今。コクトーの過去と濃密に交わる少年、ニコル。教皇庁、陰謀……。おぞましき謀略と拭い去り難き快楽が交錯する。
そして物語の舞台はローマへ――。
服する愛。傅く愛。あなたの知らない愛の形がここにある。